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スモーカー【名探偵コナン】

第22章 またおわり?


こんな状態でも唯一の楽しみはあった。



“公開日席取れたよ!”


今年のコナンの映画だった。


安室さんを好きな友人と毎年こうして見に行っている。


この一瞬の楽しみが終わればまた一年、苦痛が始まる
友人には悪いけど、多分来年も一緒に見る事はもう出来ないだろう




あっという間に公開日になり、待ち合わせ場所に行けば
今年で映画に出るのが三度目になる安室さんを心待ちにしている友人が。




今年も映画を見終えた。
来年はいよいよ哀ちゃんの年だった




「って事は来年赤井さん出るんじゃない?」


確かに、組織関係なら赤井さんの登場に期待は出来るかも…


『2年ぶりに映画で見れると良いけど…』




去年はやっと赤井さんが主役としての映画を見る事が出来た
あの時の興奮は今でも覚えている





だけどそれまでまた一年。
毎年の様にこうやって思っていて、案外あっという間に一年が経ち
そしてまた繰り返し



その中でも生きていてこうして心が躍る様な事はあるけど
正直それを頼りに生きる事は辛い事でもある




楽しかった筈の今日だったのに、家に帰ればまた一人大きな溜息が溢れた。


こんな感情は何度もあったのにタイミングが悪かったのか、気持ちが変わる事は無かった。



来年の映画が見れないのは心残りでもあるけど、今が良いタイミングだと感じた。



そこに重きを置いている程好きだったのだろう
自分の事なのに、どこか他人事の様に捉えていた



部屋に飾られたグッズ達を端から眺めながらふと思った。
自分が死んだらこのグッズ達も一緒に入れて貰えるかな?


処分するつもりは無ければ売るのも面倒臭い。



両親との仲はさほど良くは無く、連絡も取り合う事はほぼ無い。
諸々の事はまた帰ったら書こうかな。





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