第22章 またおわり?
そのまま隣にある本棚へ視線を移すと、漫画まで何巻も残っていたまま。
グッズはほぼ手元に残していなかったけど、単行本はそのままにしていた事は覚えている。
だけどこんな100巻以上も買った覚えは無い
単行本の隣には映画のパンフレットが何冊もある
これだってそんな何冊もある物じゃないのに
目に付いたパンフレットを手に取ると表紙には赤井さんが。
見るからに赤井さんが主役だったのだろうと分かるぐらい。
この白い髪の少女?は誰なんだろう
真純ちゃんと、まだ会った事は無いけど秀吉さん。
血縁関係がある並びだとすると、この人も赤井さんの妹さん?
でもそんな事は言ってなかったし…
中を開けばきっと分かる筈。
表紙を捲ろうとした瞬間、頭に鈍痛が突然走り
パンフレットが手から落ちてしまった。
「みなみ!大丈夫か」
どこか楽しそうに私の部屋を見て回っていた赤井さんが、鈍痛と共にしゃがみ込んだ所に駆け寄ってきた。
だけどこのパンフレットを見せて良いのかも分からず咄嗟に本棚へ仕舞った。
もう見ているのかもしれないけど…
ここは自分の住んでいた場所で間違いは無いのに
覚えの無い物ばかりが揃っていて、自分の記憶がただ無くなっているだけな気がしてきた。
だけど思い出す事も出来なかった。
「まだ安静にしているべきだ」
肩に腕を回していた赤井さんにそう言われ、そのまま横抱きにされてソファの上へ。
『ごめんなさい、突然の事で…』
「いや、良いんだ。他に何処か痛い場所は無いか?」
『はい、大丈夫です。ありがとうございます』
「もう少し休んでいると良い」
『でも、それじゃ…』
「気にするな」
なんて事を赤井さんは優しく言ってくれるけど、眠ってはいけない。
そんな事分かっているのに、重くなる瞼に逆らう事は出来ず
そのまま意識を手放した。