第22章 またおわり?
これは……
俺か?
リビングに置いてある棚やテレビ台、壁に飾られたポスター等
数多くの物の半数以上に俺と見られるデザインのものが飾られている。
まさか俺は
みなみの居た世界に来たというのか。
そんな馬鹿な事があるのか?
だが実際にそれは既に起きていた訳だ。
みなみが俺達の世界に来ていた訳で
今度は俺がこいつの世界に来たというのか。
そうとしか思えない状況だった。
ポケットに入れていたスマホは画面が着く事がない
困ったな。
窓の外の景色からすると、ここは東京だろう
そして高さは五階といったところか。
一度玄関に掛かった鍵を外し、表札を確認すると
やはりそうか。
ここはみなみの部屋であり、俺はこいつの世界に来てしまった。
だがどういう事だ?
みなみはこの世界で命を絶ったから俺の居る世界に来たのでは無いのか?
だがみなみは存在している。
俺が死んだのか?
いや、あのくらいで死ぬ筈が無い。
だが戻る手掛かりも無く、まさにお手上げ状態だ。
「あら、もしかしてみなみちゃんの彼氏さんかしら?」
表札の確認をしたまま考え込んでいたせいか、横から来た老婦に直ぐ気付くことが出来なかった。
「ええ、初めまして。みなみさんとは以前からお付き合いさせて頂いております」
沖矢の姿のままだが、あの後の事があり
このマスクは正常に保たれているだろうか?
「あらそうなのね!これまたかっこいい人ねぇ〜」
沖矢の状態で良かったと心底思える瞬間だな
もし本来の姿なら今頬に手を当てて微笑んでるこの老婦を驚かせていたかもしれない
「そういえば最近みなみちゃんを見かけないけど…元気にしてるのかしら?」
「みなみさんとは最近まで旅行に行っておりまして、そこから体調を崩してしまいましてね」
「あら!そうだったのね…みなみちゃんったら、よく遅くまで仕事に出ていたからね…心配だわ」
「ええ、みなみさんは本当に頑張り屋なのでね。私も彼女に良く休む様にきかせます」
「よろしくね、それじゃ 私はこの辺で。みなみちゃんにもよろしくね」
「はい、失礼します」