第21章 お咎め
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「ああ、行ってくる。呉々も気を付けるんだぞ」
『はい!赤井さんもお気をつけて!』
今日のみなみは今迄以上に晴朗な様子だな。
まあそれもそうだ
何せ今日は俺に隠れて仕事の面接に行く訳だからな。
みなみには悪いが密かに携帯は確認させて貰っている
隠れてスーツを買っていた事も全て把握済だ。
外へ働きに出る事を止めていたのは勿論安全の為でもあるが、一人になるタイミングが存在すれば安室君が接触をしてくるのは確実だろう。
だが今となってはそんなものは関係無かったがな
だからと言って今の自分にみなみを深く責める事は出来ん
現時点でも俺の状況ではあいつも不便ではあるだろう
みなみの思う様な満足をさせる事が出来ない訳だ。
だが相手の為に身を引く なんて事は性分に合わん
かと言ってみなみへの思いが消えた訳でもない。
安室君に関しては前々から勘づいてはいたが、みなみの口からそう発せられた時、内心どこか安心している自分が居る事に気付いた
俺がみなみをあの家に留める事により、あいつのこの先の人生を塞いでいるのでは無いかと。
まあ、蓋を開ければそうでは無かったがな
だからといってみなみのした事を許せるかと言われればそれはそれで別だ
でもみなみへの気持ちは変わらん
一体俺はいつからこんなに面倒な人間になったんだか。
お咎めだとは言ったものの、このふざけた期間を設けてから一ヶ月が経とうとしている。
もうそろそろ良い頃だろう
みなみの行動は、出会った当初よりも遥かに成長をしている
少し自由にさせるべきだな
まだみなみが俺への感情に変化が無ければ だが。
「どうやら、この辺り一帯は公安の目が光っている様ですね」
「そうね。下手に私達が動いても また言われるだけだろうし 此処はもう出るわよ、シュウ」
「ああ」
あの一件で公安と手を組み夫々で後処理をしていたが、合同とは言え向こうはこちら側を良く思っていない事は確実だ
正直厄介でもある