• テキストサイズ

スモーカー【名探偵コナン】

第21章 お咎め


そして面接が無事に終わった。

履歴書は全て嘘で出来ていた為、面接官に聞かれる度に嘘がバレないだろうか…という気持ちでいっぱいだった。


だけど仕方がない
何もかもそもそもここの世界の住人では無いから


履歴書にはここに来た時赤井さんに何とかしてもらった戸籍と住所
そして前に零に小学校から大学、会社に在籍した事にしてもらっていた。


赤井さんは働かなくていいって事でそれだけ何とかして貰った。
だけど零からは困るだろう?という事で他の事を登録して貰っていた


きっと私が先に出会っていたのが零だったら、最初はそのままで良いって言うだろうけど次第に「みなみさんはここの住人なんですよ。ですので働く事も大事です」とかって言われるんだろうな…
なんて事を想像したら少し可笑しい。


ここの会社で採用されるかは分からないけど、お祈りメールが来ない事だけを祈りながら会社を後にした。


まだ昼前な為、外は日差しが射していて気持ちいい。

組織に拉致されて戻ってきてから、あまり外出を許されていなかったから外の空気が心地良かった。

このまま家に帰るのは勿体ないなあ。

でも流石にこの服装で外をプラプラしたくないから、一旦帰って着替えよう。
何をするかは家に着くまでに決めればいい。

まだ昼前なのもあって、さっきよりは外を歩いている人が少なかった。
一人で外に出て、社会に復帰しようと一歩踏み出す事が出来た今
信号を待っているこの時間すらも何だか嬉しかった


「みなみさん?ですよね?」

そう思っていたら、後ろから何度も聞いた覚えのある声がして。

『あ、安室さん?』

「お久しぶりですね、もしかしたら?って思ったのですが、普段と雰囲気が違かったので別人なのかと不安でしたよ」

ごく自然にそう話しかけてくる零を見て、上手く言葉が出てこなかった。
在籍等を登録してくれたのは零だけど、この姿を見られるのは正直恥ずかしい気もあったし、何よりも零とは…

必死に言葉を発しようと頭をかけ巡らせていると、信号が青になる音だけが聞こえてきて。

「みなみさん?渡らないんですか?」

零は不思議そうにそう聞いてくる。私が動揺している事なんてバレているんだろうな…


/ 364ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp