• テキストサイズ

スモーカー【名探偵コナン】

第20章 本音


『あ、うん! 私なら外でタクシー拾うから大丈夫だよ!』

「えっ?」

『え...?』

こいつは何を言っているんだと言わんばかりに零はキョトンとしていて。

「ここに居ても、良いんだけどな〜」

『あっ そういう事?』

まさかの返答にクスッと笑ってしまった

そりゃ、居たい気持ちは...ある、けど...
これではさっきの言葉が全て成り立たなくなるような気がして。


『それは、また今度でも良いかな?』

「勿論だよ 送っていく」

『うん ありがとう』



地下駐車場に向かい、零の車に乗り外へ。


『忙しそうだね...急用って 危険なの?』

「そうだなあ 常に危険とは隣合わせだけど、今回はこの間の件の後処理が大変でね」

『あー...なるほど...』

「みなみさんも油断は禁物だよ」

『うん 気をつけるね』


気付けば米花町に入り、見慣れた街並みに。

『あ、この辺で大丈夫だよ』

「あーもう僕の言いつけを守ってないね?」

『えっ?あー...っと...』

「冗談だよ 奴らも合同で後処理に見舞われてるからちゃんと送り届けるよ」


零って時々子供みたいに冗談を言ったり、少し拗ねたりこんなに可愛らしかったっけ?
もっと早くに気付いていたかったかも...


いつもの通りに入り、あっという間に工藤邸へ。


「今日はありがとう みなみさんに会えて良かったよ」

『うん!私も。会えてとても良かった、頑張ってね』

「ありがとう」


目が合えばお互い名残惜しいのは確かで。
そっと触れるようなキスをすれば零の腕に包まれて。

「本当は帰したくない」

そんな事言われたら、さっきの感情も全てがまた複雑になっていくじゃん...

『わ、たしも...』

でも、二度と会えない訳では無い

『また、会おうね』

「みなみさんからそう言ってくれるとは...嬉しいよ、勿論。ありがとう」

一瞬驚いた表情をした零は直ぐに微笑んでくれたみたい

『そろそろ行かないと遅れちゃうよ 頑張ってね!気をつけて』

「うん、行ってくる」

零の瞳には色んな感情が混じっているのだろう。
一瞬見せたその表情を見逃す訳がなかった


丁度車から出ると隣の阿笠博士の玄関のドアが開く音がして。

「それじゃあ、またね」

『うん、またね』

/ 364ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp