第3章 初めまして
「ボウヤ、彼女について分かったことがある。今は大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ!今からそっちに行くね!」
「気をつけるんだボウヤ」
・
「赤井さんお待たせ!それで、どんな事が分かったの?」
「ああ、それについてなんだが」
みなみから聞いた話を全てこのボウヤに話したら
案の定難しい顔をしている。
小学一年生がする顔では無いな。
「みなみさんって言うんだね。なんか…そんな事があるなんて」
「俺も最初は戸惑った。だが沖矢の名前を知っていたし降谷君についても分かっていた様なんだ」
「安室さんの事も?それは凄いね、僕については何か言ってた?」
「どうやら向こうの世界ではボウヤが主役のようだ。ボウヤが毛利探偵事務所に居るのも知っていた」
俺が主役?って事は…俺が工藤新一だと分かっている可能性の方が高いな
赤井さんも俺の正体にはとっくに気付いてるだろうし
それについては話したのか?
「だが少々厄介なんだ」
「何が?」
「俺よりも先に降谷君と接触してしまったんだ。みなみはこちら側に置いておきたいのだが、降谷君もみなみの事を少なからず気に入っているようなんだ」
「“も”って…赤井さんもみなみさんの事…」
「確かにみなみは良い女だったが、今はあくまでも俺達側につかせたい。沖矢にもだいぶ惚れてるようだったぞ?」
「僕子供だからよく分からないけど…みなみさんは思ったより分かりやすい人なんだね」
「沖矢に惚れさせて降谷君との接触を減らすのも一つの手だ。彼もだいぶ怪しんでいたしな。ましてや俺の連れだと分かった今では…彼が動き出すのも時間の問題だ」
「確かにそうだね、赤井さんと安室さんについての事は知ってるの?」
「それは知らないみたいだな、俺が生きている事は知ってたようだが 沖矢の正体までは分かっていないみたいだ」
「ちょっとややこしいね、赤井さんの正体についてみなみさんに話す予定はあるの?」
「考えている。話しておいた方が楽だが、まだ彼女を完全に信用している訳ではない」
「別の世界から来た なんて有り得ないもんね…僕もみなみさんに直接会ってみるよ」