第20章 本音
なんて事を考えながら見蕩れていたら、地上に上がっていた。
『赤井さん…あの』
「ああ、みなみとはよく話さないとな」
『はい…』
「だが、お前が無事で何よりだ。行けなくてすまんかったな」
『ううん…!全然!赤井さんが今ここまで来てくれて凄く嬉しいです』
赤井さんまでも自分なんかに謝罪をしてくるなんて…
何をどこから話せば良いかまた分からなくて。
『安室さんが助けてくれて、それで部屋で』
「分かっているさ。安室君とは数時間前、通話越しに話したからな」
『なるほど、そういう事だったんですね…』
当たり障りの無いような事だけを話しながら、またまた久々の工藤邸へ到着した。
『ただいま〜』
自分の家では無いのに、このあまりにも広すぎる場所にはやっぱり安心感が詰まっている
開放感でいっぱいになっていると、荷物を置いた赤井さんの両腕に包まれる
「みなみ…会いたかった」
『赤井さん…私もです』
二人きりだけの空間に戻れば、抱きしめる力が強くなって行く程
赤井さんの気持ちも伝わってきて。
『心配かけてごめんなさい』
「みなみが謝る事は何も無い、向こうで詳しく話そう」
『はい』
開放されると、腕を引かれてリビングのソファへ。
多分赤井さんに会えなかったのはほんの数日だけだと思うけど、さっきの事もあったりその前の事もあったりで何だか少しぎこちなくなっている気がして。
それは自分だけかもしれないけど
『あの、哀ちゃんは大丈夫なんですか?』
「勿論、あの少女なら無事に。ボウヤのお陰でな」
『良かった…じゃあ、あの潜水艦も?』
「それなら先程…」
赤井さんがロケットランチャーで潜水艦にダメージを与えたと話をされて驚いた。そりゃ赤井さんは凄腕のスナイパーなのは分かっているけど
まさか現実でそんな事を聞く日が来るなんて想像しただろうか。
「みなみ」
「赤井さんも無事で良かったです。それに…」