第19章 悪夢からの解放
「組織随一のスナイパー…海自が来る前に済ませろよ、ライ」
「もちろんそのつもりだよ、バーボン」
「降谷さん!あと2分で容疑者が到着します!……降谷さん?」
「ああ、分かった」
相変わらずだ、コナン君。
僕に奴と接触させるとはな
みなみさんが僕の手に渡っているというのにあの余裕
腹立たしい奴だ
・
「兄貴、ピンガからです」
「貸せ」
「最後の仕上げが終わったようだな」
「早く合流しろ。お前に見せたいもんがある」
「ソイツは奇遇だな」
「こっちはお前が二度と組織で偉そうな面ができねぇ様な手土産をいくつか持ってるぜ。合流するのが楽しみだな」
「ああ、後でな…」
・
「聞こえる?赤井さん 潜水艦を見つけたよ!岩礁帯の中腹辺りにいる」
「岩礁帯の位置は海図で確認済だが範囲が広すぎる」
「潜水艦の形が見えたら狙撃できる?」
「出来るがどうする気だ」
「何とかするよ」
ここの岩場しかねえ…
やべ、水中スクーターが…!
動き出した潜水艦のせいで、ベルトを巻き付けた岩に捕まっているのもやっとの思いだ
まだだ……もっと引き付けてから……!
潜水艦が近付く度に激しい水流のせいで手の痺れがやべえ!
クソっ!ヘッドセットとエアタンクが流されちまった…!
あと少し…もう、少しだ……!
今だ!!
「う、海が光っています!」
「何…?!」
・
「ここで良い」
「はい!」
そろそろだな。
この漆黒の海には不似合いな程眩しく広がった光。
俺から大事なものを奪ったお前らにほんの土産を捧げよう
「補足した」
何度も引いてきたが、引き金に込める怒りの感情がこんなに籠るのは久々だ
「沈め」
これで奴らの潜水艦はもう真面に走る事は不可能だろう。
「ボウヤ、良くやったぞ」
このままみなみの居る場所へ向かいたいが、これではな…
発着場からそこまではかなりかかるぞ。
もう安室君にみなみの世話をして貰う必要は無いのだがな
彼はそうはいかんのだろう。
全く困ったものだ。
いくら安室君でも、いつまでも人の物にちょっかい出すのは許せんぞ