第19章 悪夢からの解放
『ちょっと、零…』
「みなみさん。今回の件は僕が原因でもある」
スマホを取り返そうと伸ばした腕を顔の横で掴まれ、真剣な眼差しで見つめられる
『え?零は何も…』
「みなみさんと会いすぎてベルモットに知られていたのもあるから」
『それは…』
「それもあって最近はずっとみなみさんに会えなかったんだ」
『うん、分かってるよ』
「なあ、みなみさんが良ければ暫く公安がみなみさんを匿いたいんだ」
『えっ…?それは』
「ああ。分かっているさ、だけど…」
組織の人間には死んだ事に見せている訳であって、確かにもし普通に生活している姿を見られたり沖矢さんと居る所を見られたら…
『私も成る可く気を付けるようにするから…』
「ごめん…」
『零が謝る事は何も無いよ、今日だって助けに来てくれたし…本当にありがとう』
掴まれていた腕を引かれて、また零の腕の中に包まれる。
「みなみさん…」
みなみさんを危険から遠ざけたいのは勿論だ。
だけど正直それを上回る程、みなみさんと一緒に居たいし赤井の手の届かない場所に隠しておきたい気持ちがある
・
無事に救出された様だな。
みなみに持たせたのは二つでは無い。
スマホの方にも予め仕込んでおいた。
みなみを助けてくれた降谷君に礼を言いたい所だが…
どうやらただではみなみを返してはくれん様だな。
都内のホテルに居る為今すぐに行きたいが、またしても都合が合わない
「赤井さん、ヘリの準備が整いました!」
「ああ」
みなみが降谷君と共に居る事を想像するだけで苛立つが、先ずは奴らを片付ける事からだ。