第18章 悪夢
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みなみさんの存在が知られたせいで拐われてしまったのは
僕自身の責任でもある。
今すぐあんな場所から救い出したいが、下手に行動を起こせない
組織の人間がみなみさんに触れている事を想像するだけで怒りの感情で溢れる
みなみさんだけでは無くあの少女までもが彼らの手に渡ってしまった
少女とエンジニアの彼女は同室に居る為、コナン君が何とかしてくれる事を祈るしかない。
大事な事を早く彼に伝えたいのだが、中々電話に出てくれない。
次は出てくれるといいが……
「もしもし安室さん?」
「ホテルで拐われたのは君の知り合いだよね?」
「まさか昨日の電話って……?」
「夕方にはジンが合流する」
「潜水艦に乗り込むって事?」
「知ってたのか、流石だね。奴は空から合流する、つまりその時…」
「潜水艦は浮上せざるを得ない!」
「ああ」
「彼女達を助けるなら、そこしかない」
みなみさんをどうするか。
向こうにはまだキールが居るが、彼女なら…
「ん?」
“捕われの仔猫ちゃんを放ってあげなさい、バーボン”
通話を切られ、真っ暗になっている筈の液晶に映る物は一瞬目を疑った。
なぜ急に?ベルモットが何を考えているかが読めない。
だが今はそんなことを言っている暇は無い。
みなみさんを助け出したいのは勿論だが、赤井よりも早くみなみさんを救い出してあいつから余裕というものを奪ってやる
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そういうと思ったわ
“了解 ボス”
あら?
“突然ですね。一体貴女が何を考えているのか…”
それは貴方が知る必要は無いわ バーボン
私だけが知っていれば良い事よ
「あん 邪魔しないの」
ジンはあの仔猫ちゃんの事をまだ知らない筈
だけど、急がないとね
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