第3章 初めまして
沖矢さんはスマホと封筒を置いてホテルを出ていった。
封筒には30万程が入っていた。
良いのかな…
時刻は午後の19時。
お買い物は明日にしようかな
でも渡されてすぐに使うってなんか…少し気が引けるなあ
でも仕方がないよね
明日起きたら色々揃えよう。
この世界に来てから色々ありすぎたけど
少し一件落着した気がする。
まあ、これからどうなるか分からないのは気掛かりだけど
沖矢さんがついてるって思ったら安心感が増した。
ホッとすると思うのは
『煙草吸いたいな』
現実世界では毎日かなり煙草を吸っていた
少し減ってきて一日一箱まで抑えることは出来てたけども
この世界の煙草は向こうと違うのかな?
とりあえず買いに行こうかな
でも貰ったお金で初めて買う物が煙草って…
なんだコイツとかって思われたりしないかな
けど常に煙草と生活してきた自分には明日まで我慢する事も出来ず…
コンビニへ向かった。
外出時は連絡する様に言われてたけどコンビニぐらいは良いよね
コンビニに並ぶ煙草の銘柄を見ると
初めて見る物から向こうでもある物まで、不思議な世界だなって思いつつ
自分のいつもの銘柄を発見してライターと携帯灰皿と共に買った。
何事も無くホテルに戻って
この世界で初めての煙草を吸う。
ベランダに出て煙草に火を付けるとお気に入りのメンソールの匂い、味と共にガツンと肺に入ってくる煙をゆっくりと吐き出す。
一体何日あそこで眠っていたのか分からないけど凄く久々に感じた。
確か昔赤井さんもこれの赤吸ってた様な…
そういえば沖矢さんは吸ったりするのかな?
さっき微かに煙草の様な匂いもしたけど…