第3章 初めまして
「この町は犯罪が多いですしね。それに…」
そう言いながら眼鏡の位置を中指で正す沖矢さん。
「この密室に貴女は私のような男と2人きりで居るんです。意味は分かります?貴女を襲っていてもおかしくはないです。こんなに魅力的なのですから」
黒くてタイトなミニ丈のワンピースからは丁度良い肉付きと筋肉のある足を組んだり組み替えたり。
少し開いた胸元からは豊満な胸を少しばかり覗かせていて
こいつは俺を誘っているのか?
沖矢の姿だから理性を保っているが、いくら沖矢だとしても中身は俺だ。
優しくはしてやれんぞ
これ以上こいつと密室に居るのは危険だ。
『は、はい。すみません…気をつけます』
気をつけて貰わないと俺が困る
いや、それとも今手懐けておくべきか?
みなみをこちら側に置いておくのは今後としても有利だ。
降谷君も少なからずみなみの事を気に入っている様だし、それが俺の連れだと分かったら更に接触して来ようとするだろう。
だが、みなみも疲れているようだし今日は辞めておくか。
赤井じゃなくて良かったな。
赤井が1番好きだと話したみなみ。
沖矢も好きだと話していたが本当か?
赤井の話をしている時のみなみは沖矢としての俺と話している時よりも笑顔もあって幸せそうな顔をしてやがる。
沖矢の話をしている時は赤井程の熱量を感じられない事が少し気に入らない
だが近付くとこいつは赤面したり驚いたり
ハーフでは無いと言っていたがそのハッキリとした顔のパーツが美しくもある。
いじめがいがある女だ。
俺の正体までは知らない様だが、もしも知らないフリをしていたら?
俺の正体を知ったらこいつはどんな反応をするんだ?
これから面白くなりそうだ。
金の件もみなみを納得させ、外出時には連絡を入れる約束をして部屋を出た。
GPSの入ったスマホを渡せた事だし服に着けていたGPSも取った。
あいつの買い物には付き合うべきか?
まずはボウヤにも報告をしてからだな