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スモーカー【名探偵コナン】

第3章 初めまして


『言って無かったけど、実は作品の中で沖矢さんの事も好きでした…』

何言ってるんだろう私。
でも事実だし、ほら、あくまでも作品の中でって事だしさ

「何とも嬉しい事ですね。この私を好きになって頂けたとは。ありがとうございますみなみさん」

ずっと考えたままの表情をしてた沖矢さんの表情が少し柔らかくなった。
言ってよかったのかも

椅子から腰を上げた沖矢さんが私の座っているベッドに片手を付き
そう言いながら沖矢さんの顔が近付いてきて

「好きでした。という事は過去形ですよね?今はどうなんです?」

『へっ!い、今?!今はえっと…』

こんな近くでそんな事言われたら…
戸惑わない訳が無いし

好きにならない訳がない。

たとえこれも全てが演技だったとしても。

ただの大学院生だと思えば、ムスクの様な大人な香りに
少しだけ開眼させた瞳に吸い込まれそうだった。

「冗談ですよ、少々貴女を困らせてみたくなってしまって。そんな姿も相変わらず可愛らしいです」

また椅子に戻って元の姿勢になる沖矢さん。
何だか揶揄われた気分…

今絶対に顔が赤くなってるだろうし
沖矢さんは相変わらずそのままだし

1人で興奮しちゃって少し馬鹿みたい
でも決して悪い気はしない…

『あまり…揶揄わないでください…』

恥ずかしくて少し顔を逸らした。

「おっと、それは失礼。貴女を見ていると…ね?この先が楽しみです」

『この、先…?』

「そういえばみなみさんは今身に着けている物以外は所持していませんでしたよね?」

はぐらかされた…

『はい』

「でしたらとりあえずこれらを受け取ってください。今日からみなみさんの物です」

そう言って渡されたのはスマホと少しだけ厚みのある封筒。

『えっ?』

「このスマホは私の使っていない物です、連絡先も入れて置いたので何かありましたらいつでも。それからこれは色々揃えるのに使ってください」

『そんな!悪いです』

「けど、無いと困るでしょう?お気になさらず。」

『でも…こんなに…』

「今の貴女の洋服は危険です。貴女が何処にそれを着ていったのかは分かりませんが女性が1人でその様な服を着ていたら襲われかねないからです」
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