第14章 日常
足を組んでタブレットを操作している赤井さんの肩にちょこんと頬を乗せながらテレビを見たり、時々視線をこっそりタブレットの画面に向けたり。
だけど画面は一面英文で…
見てはいけない気がしてまた視線をテレビへ。
英文と言えば、この間赤井さんの仕事部屋を覗いた時もパソコンの画面に出ていたな…
確か…インターポールと、パシフィックブイだっけ。
思い出すと気になってしまって、赤井さんの肩に預けていた頭を起こしスマホを取り出しこっそり調べる事に。
インターポール…なるほど、ざっくりと言えば国際的な警察な訳か
確かに見ていた洋画を思い出せばそんな感じだったな。
だけどパシフィックブイというワードをいくら検索しても出てくる事は無くて。記憶があやふやになっているのかもしれないけど…
でも合っている様な…
「みなみ」
『はい!』
名前を呼ばれて隣を見ればこっちをガン見している赤井さんが居る。
「何を見ていたんだ?」
『えっ?あ、あの芸能人誰かなって思って…』
「ああいうのがタイプなのか?」
『へっ?!』
テレビの出演者をろくに見ず、咄嗟に出てきた嘘に対して真剣にそう聞かれる。
「俺とは真逆だな」
赤井さんの視線の先を辿っていくと、金髪で子犬みたいな顔をした芸能人が画面の向こう側で話している。
確かにかっこいいし、可愛くも見えるけど…
『心配しないでください、私には赤井さん以外興味無いですよ』
「そうか。別にそんな事を言わせたかった訳では無いがな」
なんて言ったら分かりやすく少し拗ねた様子の赤井さんはどうも可愛らしい
『赤井さん…嫉…妬……?』
「何を言っている。ほら、風呂に行くぞ お前も来い」
そう言ってタブレットを置いてスタスタと先に行ってしまった赤井さん。
…まあこの芸能人を見ると零を思い出したり…
こっちのスマホに連絡が来る事は無くなってきて、多分向こうのスマホに来ているのだろう。