第14章 日常
『すっごく美味しそうです!』
「俺の中でもこいつは自信作だからな、感想を聞かせてくれ」
『はい!いただきます』
じゃがいもに箸を入れるとホロッと崩れて、口に運ぶと中まで甘い出汁が染み込んでいて本当に美味しい!
「どうだ?」
『うん!すっごく美味しいです!』
「ふん。なら安心だ」
私が食べるまでジッと真剣に見つめられてたのは少し緊張したけど、感想を言うと嬉しそうな反応をする赤井さんが愛おしい
今日はまた一つ、新たな赤井さんの一面を知る事ができて嬉しい。
「うん、しっかり味が染みているな」
自分で食べて納得している姿も、この世界に来なければ決して見れない光景であって。
『起きて赤井さんが居て、赤井さんの料理が食べれるなんて本当に幸せ者ですね』
「こんな事ぐらいいくらでもしてやるさ、ずっとな。」
“ずっと”と言う言葉がまた嬉しくて…
『うん…ありがとうございます!』
身も心も幸せな気持ちで赤井さんの手料理を食べ進めていく
『そういえば…食材達は大丈夫でしたか?かなり常温だったので…』
「ああ。此処を冷やしておいたのもあったし、そう簡単には悪くならん」
『なら良かったです…』
「みなみは近々行きたい場所はあるか?」
『行きたい場所?んー何処でしょうか…あまり分からないのもありますけど、赤井さんと一緒ならどこだって嬉しいな…』
「そうか、そいつは俺も嬉しいな。どこか気になる場所を調べておいてくれ」
『はい!』
そうして夕食タイムも終わり、洗い物ぐらいはさせて欲しくて赤井さんはソファへ。洗い物をしながらソファに座り、タブレットを操作する赤井さんをここから見るのが好きで。
二人分のお皿は直ぐに洗い終わり、赤井さんの隣にちょこんと座る
「感謝する、みなみ」
片手で頭を軽く寄せられ、顬に優しくキスをしてくれて。
『こちらこそ』
流れるテレビをポケーっと見ながら、隣に赤井さんが居てくれる
そんな平和な時間がゆっくりと流れている。