第13章 過去には
「少しずつで良いんだ、そうだろう?」
『はい…』
「みなみが居てくれればそれで良い。この世界で生きていこう」
『っ…赤井さん…』
赤井さんの言葉に今までの傷が癒えていく感覚と、嬉しさもあって
だけど、その分罪悪感も大きくて。
気付けばまた温かい雫が頬を伝っていって。
『ありがとう…ございます、本当に…』
「お前の笑顔が見れて何よりだ」
安心した様に少し笑いながら、頬に伝う涙を指で拭われて
身体に伝わってくる赤井さんの体温も、心も温かくなる。
ここ最近は不安定になったり過去への深い思いがあったけど、この世界に来て、赤井さんに出逢えて良かった。
最初に思えたこの感情を今改めて感じる事が出来て、また新しく一歩を踏み出せた気がする。
頬を親指で撫でられながら、ゆっくりと唇が重なると離れて、目が合うと少し微笑んで幸せな気持ちになれて。また重なって。
チュッ、チュッ とリップ音を立て、何度も角度を変えながら重なると
次第に湿ったキスへ変わっていき、腰と背中に添えられた赤井さんの掌と腕を回している首からも熱がじんわりと伝わり。
身体中がジーンと熱を帯びていくと同時に脳が蕩けそうな感覚に陥って。
下着の上から一枚で着ているTシャツの中に手が入り込み、腰から背中、お腹に手が回ってきて、素肌で感じられる赤井さんの手にまた蕩けそうで。
Tシャツを捲し上げられ、首元から腕を上げるとシャツを脱がされる。
再度唇が重なり、口の隙間からヌルッと口内へ挿ってきた生暖かい舌を絡み合わせながら赤井さんの着ているシャツも下から捲し上げ
脇の下まで来ると、テロテロと細い糸を引きながら濡れた唇が離れ
赤井さん自らシャツを脱ぎ捨てる。
また首に腕を回して、お互いの身体の温度を感じ取りながら舌が絡まり合い
プツっとブラのホックを外される