第3章 初めまして
「ここで話すのは難ですので、一度ホテルに戻りましょう」
『はい』
あのホテルを手配してくれたのは沖矢さんだったの?
コナン君経由で沖矢さんに連絡して…って事?
大学院生ってそんなに凄いの?
もっとあの後も見ておけばよかったな、そしたら色々分かったのに
けど、この人にも何か秘密があるのは間違いないし
それをこれから知っていけるのだとしたら、退屈はしなそう
数十分程車を走らせるとホテルに着き、またあの部屋へ。
私はベットの上に腰掛けて、沖矢さんは近くにあった椅子を目の前まで持ってきて足を組んで座っている。
「それでは、貴女の事を聞かせてくれますか?」
『ええ。』
そこから私が別の世界から来た事、名前も、私が見てきたまでの名探偵コナンという作品の事についてを話した。
勿論コナン君の正体については伏せたまま。
なのにうっかり赤井秀一が1番の推しだった事まで話してしまった。
その時一瞬沖矢さんの眉が動いたのは気の所為?
「ホォ…中々興味深いですね、みなみさん。私の事を既に知っていたのにも不可解とは言え説明がつきますね。」
こんな状況なのに沖矢さんに自分の名前を呼んでもらえた事に少しドキッとしちゃった。
正直、彼に目をつけられて嬉しい。
『はい、本当に何を言っているんだって思われてもおかしくは無いですよね。でも、事実なんです。』
「なるほど、その赤井秀一という人物は死んだと思いきや生きていたんですね?」
『そうなんです。でもその後ショックであまり見なくなってしまって…そしたらその後、沖矢昴さんが登場して…』
「その後はあまり分からないのですね?」
『はい』
「みなみさんは赤井秀一という人物がそれ程好きだったんですね」
『もう、ほんとに…笑』
そんなに赤井秀一について聞かれると何だか恥ずかしい…
けどどうしてそんなに聞いてくるんだろう?
自分についてはそれ以上あまり聞かないの?
て言ってもまあ、あまり分からないけど