第13章 過去には
何て事を考えながらも無事に買い物を終える。
一番大きいサイズの買いもの袋二つを持って外に出る
少し買いすぎちゃったかな…
正直かなり重い。
エコバッグを持たなかったせいで肩にも掛けられないし…
そして午後の日差しは強くて。
歩いてるとじんわりと熱が籠ってきて暑くなる。
まともな方の運動をしなさすぎて筋力が減っているようにも感ながら
何とか折り返し地点とも言えるような公園を通り越す。
米花町のスーパーで買い物をして、その袋を持ちながら歩いている自分は
しっかりと米花町の住人になれているみたいで嬉しかったり。
何も無い日を穏やかに過ごせる事は、向こうの世界でこんな気持ちになれる事が少なかった為幸せに感じる。
「みなみさん!」
この日差しで食材達が駄目にならないか心配しながら歩いていると前から名前を呼ばれる
『蘭ちゃん!』
顔を上げると蘭ちゃんと毛利さんが歩いてきていて。
「みなみさん、こんにちは!」
『蘭ちゃんこんにちは!久しぶりだね!毛利さんも久しぶりです』
「ん?あ、ああ…久しぶりですな!」
「え?みなみさんとお父さん、御知り合いだったの?!」
毛利さんには忘れられていたのか少し戸惑った様な雰囲気で。
「お、おい蘭…一体何なんだ?…この美しい女性はよ!知ってるんなら紹介しろ!」
「はあ。全く…どうせまた酔っ払ってて忘れてるだけでしょ?」
「こんな美女を俺が忘れるわけが無いだろ!」
「ええ…?知らないわよそんなの…」