• テキストサイズ

スモーカー【名探偵コナン】

第13章 過去には


大きくてふわふわで可愛い犬と戯れていている
前足を立たせて懐いてきたり、顔を舐められたり。

どうせ夢の中なのは分かっていても幸せで。

目の前に広がる光景が徐々にボヤけてきて、だけど感触はそのまま残っていて。

目を覚ますと…

『ん!えっ!赤井さん?!』

隣で横になりながら私の額を撫でていた。

あの感触は犬では無くてずっと赤井さんの手だったのね…

「おはよう」

撫でていた手はそのまま耳の上で止まり、額にキスをしてくれて。

『おはようございます…赤井さん、いつのまに…』

「今朝だ。日が昇り始めていたぞ」

『そう、だったんですね…遅くまでお疲れ様でした。おかえりなさい』

「ああ。よく眠っていたな」


赤井さんは帰ってきてからずっとここに居たのかな。
だとすれば寝顔とかをずっと赤井さんに見られていた訳で…

口を開けていなかったか、鼾をかいていなかったか等今更ながら不安になって恥ずかしくなる

『あ、あの…いつからここに…』

「数時間前からだ」

『ああ…なるほど…』

「どうした、何故顔を隠す?」

『恥ずかしいからです…』

返って更に恥ずかしくなって仰向けで横に向けていた状態から顔だけを伏せる。

「何も恥ずる事は無いぞ、自信を持て」

『はい…』


相変わらず自分の欠点に思えるような事を受け入れ、そして褒めてくれる赤井さんは優しく微笑んでくれて。

だけど顔に疲れが見えて、クマも更に濃くなっている。
きっと帰ってからも寝てないんだろうな…


『今日は予定あるんですか?』

「無いな。どこか行くか?」

『なら…』

「…ん…?」

起き上がり、横向きになっていた赤井を仰向けの状態にして布団を掛けた。

『休みでしたら、今日は存分に眠ってください』

そう言うと、少し安心した様にフッと笑ってくれて。

「悪いな、少々仮眠を取らせて貰うよ」

『仮眠と言わず、ゆっくり寝てください!クマが濃くなってますし…』

「そうだな」

また頭を撫でてくれた。
赤井さんを寝かしつけるのは初めてだから新鮮でもあるし、可愛く見えて…

『家事ならやっておきます!』

「頼んだぞ」

部屋を出るまでベッドから見送ってくれた赤井さん。
/ 364ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp