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スモーカー【名探偵コナン】

第12章 不純に染まる夜


私には…
私なんかには勿体ないぐらいの存在である赤井さんが居るというのに
頭の中にだってずっと居る筈なのに

今は零と繋がりたくて。

胸の下に回されている右腕は、ここから逃れられないのではないか
というぐらいにキツく回されていて。


『零…』

「もう少し、このままで居させて」

『…うん』


首に回された腕にそっと手を添えて、少し首を傾げて頬を置く。

赤井さんと付き合ってから零に会うのは今日が初めてで、それなのに
離れられない、こんな事をしている自分に嫌悪感を抱くと同時に
零への愛おしさも積もっていく。


「この服」

『え?』

「このワンピース、初めてデートした時も着ていたな」

『うん。確かにそうだったね』

言われてみればあの時も着ていたなと。
あの後の事も今でも鮮明に覚えてる。

「気に入っているみたいだな」

『うん、可愛いし私は好きだな』

確かにそれも事実だけど、これは初めて赤井さんがプレゼントしてくれた物でもあって…


「よく似合ってるよ」

顔を上げた零とガラス越しに目が合えば零の右手が肩から下へ下りて行き
肘から下に暖かい零の手が直に伝わってきて。

『ありがとう』

「だけど…」

『ん?』

「これを選んだのが赤井だとしたら、今すぐに剥ぎ取ってやりたい」

『えっ、ちょっ…零?』

「なんて、冗談だよ」

その言葉と共に、零の手によって背中のファスナーを下ろされ
ワンピースを捲られて露になった肩にキスを落とせば、そのまま下にストンとワンピースが落ちる。


髪を左に寄せられて首筋に一回軽く、二度目は吸い付くようなキスをされて。

『あっ…』

暖かくてヌルッとした舌で首筋を舐められて、耳朶を甘噛みされれば
力が抜けそうな所を今度は左腕を胸の下へ抑えるように回される

『はあ…零…』

「…可愛い。ちゃんと逸らさずに見て?」

ちゃんと前を向くように顎をクッと掴まれて。

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