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スモーカー【名探偵コナン】

第11章 渦巻く想い



今日の零は何だか今までよりも少し素っ気なく見えるというか
何時もは繋がれていた手だって繋がれない。

ポアロでの一連の出来事後じゃこうなっても仕方が無いのかな

だとしても私達は疑似恋愛をしている訳でも、バーボンとして接触されてる訳でも無い。

確かに申し訳無かったけど、都合のいい関係ならそんなあからさまにしなくても…

それとも零は…

いや、それは自意識過剰かな。だけどやっぱり分からなくて。

あの時の事を謝ろうにもここまで来ると返って言い難くなっているのもある。



「そろそろ着くよ」

気付けば閑静な通りに入っていて、どうやら米花町は抜けていたみたい。

『え〜楽しみ!』

「きっとみなみさんも気に入るよ」

高級地を通り抜け、角を曲がると見えてきたパーキングに車を停める。


「はい、気をつけて」

車から降りた零が助手席のドアを開けてくれて、手を差し伸べられる。

『ありがとう、零』

差し伸べられた手を重ねると温かくて、やっと零に触れる事ができた嬉しさもあって。


「さあ、行きましょうか。ここからすぐ近くです」

『はい!』

外に出れば一瞬で安室透に変わって、どこか寂しかったりもするけど
今はこうしているだけでも良い。


少し歩くと塀に囲まれたお店へ到着する
流石はこの住宅街にあるだけあって高級感が凄い…

着物の女将さんに出迎えられ、個室の部屋へ。

零と二人きりになり、対面で座るとさっきよりもまた緊張してしまって。

『凄いお店ですね』

「ここは僕もお気に入りの場所でね。みなみさんと来られて嬉しいよ」

『安室さんお気に入りの場所なんかに、私で良かったの?』

「今は零で良いよ。みなみさんとじゃなきゃ嫌なんだよ」

『零…あの、この間はごめんなさい』

「謝らないで。みなみさんは悪くないから」

『でも…』

やっと少しでも踏み込めたと思えばやっぱり零はどこか悲しげで。
タイミングが良いのか悪いのかドリンクが運ばれてきた。

小さく乾杯する。

「今日はコースだから、無理はしないで」


そうして、懐石料理も運ばれてきて
上手く話が出来なくて心配していたけど、零の話術に救われてここではあまり深い話はしなかったけれど無事にコースを食べ終えた。
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