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スモーカー【名探偵コナン】

第11章 渦巻く想い


『いえ、悪くは…』

「何の話をするのか少々気になってな」

『大した事は何も話していないですよ』

「そうか」

『はい』

本当は聞こえていたのではないかと怖くなるぐらい。
けどかなり小さめの声で話していたから…


一瞬不安な空気が流れたけれど、徐々にそれも過ぎ去っていき
肩に赤井さんの頭が軽く乗っかってきて。

『ん?』

初めての事に少し驚きつつも、そんな一面に緊張と可愛いという感情になる。

「お前を信じているさ」

自分の中の気持ちと赤井さんの気持ちは正反対というか。
赤井さんの言葉に罪悪感を抱く。

『勿論です』

後ろから腕を回して、そっと頭を撫でると
いつものニット帽を被っていない赤井さんの髪の毛は柔らかくてサラサラで
少し煙草の混ざったシャンプーの香りに包まれる。


朝から気を張っていたせいか二人だけになると静かなのもあって睡魔が襲ってきた。



「みなみ…みなみ、起きろ」

『ん…赤井さん?』

気付けば眠っていたみたいで、カーテンは閉められ電気は付いていて
とっくに夜になっていた。

そして赤井さんでは無く沖矢昴になっていて
赤井さんのジャケットを上に掛けてくれていて、そういう優しさに嬉しくなったり。


「よく眠っていたな」

『心地好くてつい…』

ソファの端で斜めに左側だけをかけている赤井さんに水を渡される。

冷たい水を一口飲み、時計を確認すれば19時で寝すぎた事に少し後悔したり…

「早速だがみなみ」

『どうしました?』

「すまんな、これからFBIの方で用が出来て行かねばならんくなった」

『そう、なんですね…』

「ああ、もしかすると日付を越すかもしれん。大丈夫か?」

『はい…赤井さんも大丈夫ですか?』

「俺なら平気だ。最近奴らに動きがあってな」

『奴らって、組織ですか?』

「そうだ。詳しくは分からんがな」
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