第10章 深い繋がり
「うむ。赤井君となら、きっと大丈夫だね」
「秀ちゃんならみなみちゃんの事もしっかり護ってくれるわよ〜!ロマンチックね!」
「ええ。まあ、奴らに目を付けられなければの話ですがね」
「そうだね、きっとみなみちゃんの様な子を見たら組織の人間達は確実に欲しがるだろうね」
『私も、成る可く気をつけるようにします…』
「この国では、ましてや今の俺では少々行動の範囲が阻まれるからな。細心の注意を払え」
『はい…』
「そうね、確かに危険だわ…もし何か出来る事があったら言って頂戴ね!変装なら得意だわ!」
『有希子さん…ありがとうございます』
「何かあれば私達も力になるからね。赤井君、みなみちゃんを頼んだよ」
「感謝します。ええ、命に代えても守るべきものなんでね」
『皆さん、本当にありがとうございます』
赤井さんがこんなにも思ってくれている事はとても嬉しいけど
赤井さんが居なくなるなんて事は耐えられない
「良いのよ〜ん!それよりみなみちゃんのお話もっと聞かせて〜!」
有希子さんが少しだけ重くなってしまった空気を変えてくれて。
『はい!』
「すまないね、みなみちゃん。少し有希子に付き合って貰っても良いかな?」
『はい、勿論です!私も有希子さんとお話出来るのは光栄です』
そうして赤井さん達はソファで、有希子さんと私はキッチン前のテーブルへ移動した。
「ねえねえ、秀ちゃんとは付き合ってどのくらいなの?」
向こう側に聞こえないように少しだけ声のボリュームを抑えているけど、どこか楽しそうなのは変わらなくて。
『本当につい最近なんです!赤井さんも同じ想いで居てくれていた様で…』
同じく少しボリュームを抑えて返答する。
「キャッ!それって素敵じゃないの〜!ずっと思っていた人と心から結ばれるってロマンチックね〜!」
『ありがとうございます、今でも時々夢みたいに思う時があるぐらいです』