第10章 深い繋がり
「え〜!私達がどんな風に写っているか気になるわね、優ちゃん!」
「こらこら、はしゃぎすぎだぞ有希子」
「だってえ〜」
工藤夫妻のような何年経っても仲のいい夫婦って憧れでもあるな…
「それにしても、話を聞いた時は驚いたよ。まさか別の世界からとはね」
「私も驚いたわ!こんなに可愛らしい女の子が来てくれるとはね!」
「僕もだよ、みなみさんは本当にこの世界の事をよく知っているんだ」
『まあ、でも、途中までしか分かっていなくて…』
「途中で見るのを辞めてしまったという事かな?」
『はい…でも今も続いてる人気の作品なんです』
「みなみちゃんは、どうして見るの辞めちゃったの〜?」
『えっと、それ…は…』
有希子さんからの質問に皆が居る前で答えるのが少し恥ずかしくって…
横を見れば口の端を少し上げながらこっちを見る赤井さんが居て。
ん〜?と不思議そうな有希子さん
「僕も気になるな〜」
『それは…その、私凄く赤井さんが好きだったんですけど 例の一件がショックでそれ以降はあまりって感じで…』
「キャッ!て事は今みなみちゃんは秀ちゃんと一緒に…こんな事ってあるのね!素敵だわ〜!」
「こら有希子、落ち着きなさい」
両手を顔の前で合わせながら興奮気味の有希子さんにそう言われると
改めて実感する運が良かったというか、自分の置かれている現実に幸せの様な物を感じる
『まあ…そんな感じになります…』
急に恥ずかしさが込み上げてくると視線を前に向けられなくて…
「みなみさん、そうだったんだね!僕知らなかったよ…」
『そういえばあの時話してなかったもんね…』
「それでそれで?!秀ちゃんはどうなの?!」
「ええ。みなみとは御付き合いさせて頂いてます」
「キャ〜!ねえ優ちゃん!新ちゃん!聞いた?!」
「うっせー…」
サラッと新ちゃんって呼んでしまってる有希子さんとジト目で横に座る有希子さんを見るコナン君。
そして赤井さんにまた堂々とそう言われると、何だかまだ実感出来ない気持ちと共にふわふわとした夢心地の様な感じにもなって。