第10章 深い繋がり
次の日、昨日の体の倦怠感と共に目覚める。
あの時、零からのスマホに送られていた通りにメッセージを送れば
程なくして返信が届いて。
“これなら気兼ねなく連絡出来ると思ってね”
“勿論GPSだなんてそんな物は付けていない”
と、主にこんな感じの内容が送られていた。
零からしたらあの瞬間以来だし、確かに私のあの動揺の仕方では零からも不審に思われても仕方が無い。
ただ、その後は…
ちゃんと話して赤井さんと想いが繋がって。
このスマホを零に返して、沖矢さんとの事を話せば済む事な筈なのに
それが出来ない
零との関係に気まずさの様な物が生じたら、今後としてもやりずらいのはありそうだけど本当は違う。
こんなのはあくまでも自分の中にある不純な気持ちを美化しているだけであって
本当は…
いくらだって離れようと思えば離れられる筈だけど、そうはいかなくて。
だけど赤井さんの事も大好きで、離れたくなくて。
スマホを握り、自分の中に渦巻く厄介な感情をハッキリと認めた朝。
部屋のドアをノックする音と共に気持ちを切り替えた。
「みなみ、入るぞ」
咄嗟にスマホを枕の下に隠した。バレてなければ良いけれど
『はい!どうぞ〜』
「よく眠れたか?」
隣に赤井さんが座って、近くなると少しべつのドキドキがあるけどやっぱり幸せなのは変わり無い。
『はい、ぐっすり眠れました』
「そうか、それは何よりだ。おはよう」
顬に触れ、額にキスを落としてくれる赤井さんは優しくて。
『おはようございます』
「早速だが、今日の昼頃工藤夫妻が来るようだ」
『え!うそ!』
「嘘では無い。だが、お前の顔を見たら直ぐにまた戻るみたいでな」
『そう、なんですね…』
「ああ。折角ならボウヤにも会いたいのではないかと思ってだな」
『確かに、そうですね』
「ボウヤを呼ぶべきだと思うか?」
『どうなんでしょう…とりあえずコナン君に送ってみますね』
「頼んだぞ」