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スモーカー【名探偵コナン】

第9章 本心は


正直思ってもみなかった事にまた立ち竦むというか、最早恥ずかしい。

勿論嬉しいけど脳が今の出来事を冷静に処理出来ていないのかもしれない

赤井さんの腕の力が徐々に緩んでいき、解かれる。

「ほら、来い」

そう言われ両手を脇の下に入れて強制的に上にあげられる

『えっ!ちょっ…!』

スルッとサンダルは抜けて玄関の上に上がるとそのまま横抱きにされて。

『ちょっ…と!降ろしてください!』

「駄目だ」

足をバタバタさせても赤井さんの力に敵うわけが無く…
せめて今の顔を見られない為にもそっぽを向く。

「こら、暴れるんじゃない。落ちたらどうするんだ」

『嫌です…』

今の自分は…傍から見たら駄々を捏ねている子供でしか無いだろう。

やれやれといった感じの赤井さんの寝室に連れて行かれベッドの上にドサッと落とされる。

直ぐに起き上がって横に居る赤井さんに背を向けて座る。


「みなみ、本当にすまなかった。機嫌を治してくれないか?」


機嫌…というか、あれらは全て私の勘違いだった訳で
本当は凄く嬉しくて今すぐ赤井さんの腕の中に包まれたいけど…

やっぱり恥ずかしいのと今の顔を見られたくないのが勝ってしまう。


『お、怒ってないです…ちょっと、待ってください…』

「ああ、良いだろう。お前の為なら待っているさ」


まさかこんな形になるとはな
そこまでこいつの事を追い込んでいたとは…

目の前で小さく身体を丸めているみなみの姿を見るのは初でもあり
また女を泣かせてしまったという自責にかられ、正直どうするべきかも分からん。



鼻を啜る回数も減って、赤井さんと向き合わなければいけないけど
どうしていいかを考えてしまう。

きっと赤井さんは女である私を泣かせたと思っているだろうし、自分を責めないで欲しい…


そう思い、気付けば体は動いていて赤井さんの首に両腕を回していた。
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