第8章 小さな探偵さん達
赤井さんに褒められるのは素直に嬉しくて自然と自信が湧いてくる
自分で自分を褒めて肯定感を高めていくのは簡単そうで案外難しい事でもあるから。
第二の人生を歩むと決めた以上、気持ちを変えて頑張らなきゃいけない事も多いだろう
だけど、きっと大丈夫。
少し遅い昼食を楽しんでいると外から聞き覚えのあるような、無いような賑やかな声が。
そのままインターホンの音が鳴り響くと
食事をする手を止め、顔を見合わすと直ぐに椅子から立ち上がって
ピッと変声期の音を鳴らしインターホンを確認する沖矢さん
「どうやら客人のようだ」
『客人?』
玄関へ向かう沖矢さんに着いていき、沖矢さんがドアを開ける。
「お!カレーの匂いがすんぞ!」
「昴お兄さんこんにちは!」
「昴さん、お久しぶりです」
「ええ、こんにちは。丁度カレーを食べていた所でね」
ドアの前に立っていたのは少年探偵団の三人だった
漸く探偵団のみんなに会えて嬉しい!想像よりもみんな小さくて可愛らしい
「わあ〜!お姉さんが、昴お兄さんの彼女さん?! 」
「とても美しい方ですね!」
「誰だ?このネーちゃん」
え、かの、彼女?
この子達の間で一体どんな誤解が流れているのやら...
『えっと...』
この一瞬の事に驚いていると、小さな足音が聞こえてくる。
門を見ればこちらをこっそりと覗く哀ちゃん。
こんな形で皆にも哀ちゃんにも会えるとは思わなくて更にびっくり
そして目が合うと隠れてしまう哀ちゃん。
これは...気付かないフリをした方がいいかな
「ええ、みなみさんとはお付き合いしていますよ」
驚いて少し動揺した自分の横で冷静な沖矢さんにそう言われ肩を抱き寄せられる。
それを見て目を輝かせる三人と、はたまたそっと顔だけを覗かせる哀ちゃん。こんな時に思う事じゃないけど可愛い...
とりあえず話を合わせるべきだね
『小田島 みなみって言います。よろしくね!』
三人と自己紹介をし合うと今度は後ろからコナン君が走ってきた。