第8章 小さな探偵さん達
赤井さん(沖矢さん)が包丁を握ったり、鍋を確認する姿はどこか可愛らしくて、そして手際が凄く良い為あっという間にカレーが出来上がった。
私も野菜を切ったり、炒めたり、サラダを作ったり...
沖矢さんの隣で緊張しながらも何とか無事に作る事が出来て。
タイミングよく炊けた炊飯器の蓋を開けると湯気と共にお米の良い香りが漂う。にしてもご飯もカレーもかなり量が多いけれど...
普段は作り置きとかしているのかな?
盛り付けたお皿を並べ終えて食べ始める。
『ん!美味しいです!』
「うん、上出来だな。みなみも良く出来ていたじゃないか」
『赤井さんにそう言って貰えると自信がつきます、ありがとうございます!赤井さんも凄く手際が良いですね』
「ああ、有希子さんからも教わってな」
『あの工藤有希子さんですよね...凄いです...』
「近いうちに会えるぞ?どうやら有希子さんがみなみを一目見たいと聞かないらしくてな」
『本当ですか!工藤夫妻に会えるなんて...』
「それとだな」
『はい』
「みなみの保険証を用意しておいた、戸籍等も既にな。後で渡す」
『ありがとうございます!これで私も米花町の住人ですね!』
「ああ、そうだな」
なんて事を顔を輝かせながら言うこいつからは、そんなものは感じなかった
最早隠す事に長けているのか。
仮にもこいつの言う事が事実だとすれば、またやりかねないのでは?
それだけは何としてでも阻止したいところだが。
行動の幅が限られている今の俺にみなみを護る事は出来るのか?
だがこいつへの想いが揺らぐ事は無い。
降谷君がどう出るか、この国で勝手に事を進めるのは悪いがみなみを渡す気は無い。
『このサラダも美味しく出来てます!赤井さんも食べてみてください』
と、フォークに持ち替えて素直にサラダを頬張る姿は少し子供みたいで可愛いらしい。
零もそうだけど、食べてるだけでかっこいいって反則
「確かに良くできているな、みなみ。よくやった」
『ありがとうございます!』