第7章 シルバーブレット
スタスタと去っていく足音を確認して、ベッドへ。
ホテルみたいにフカフカしてる...
大きめの窓からは満月が照らしていて、ここに来てからの事を振り返ったり。
もうあのホテルとはお別れか。
病院で目覚めてからホテルへ連れられて、コナン君や零や蘭ちゃん達に出会って。 そして沖矢さんと...
短い滞在期間だったけど、あのホテルにはこの短期間での濃い記憶と思い出のような物が詰まっている感覚。
零には何て言おう。
沖矢さんの所に行くって言ったら気を悪くさせそうだし、赤井さんにもこの事は話せないし...
かと言って誰かに相談出来る訳でもなく。
そもそも二人はどうしてあんなに...
いつか訳を聞ける時が来ればいいけど。
思い出と疑問を感じながらも眠りにつく。
7時に設定したアラームにより起床。
服を着て部屋を出ると、恐らく赤井さんが使っているであろう部屋のドアが少しだけ開いていた。
こっそり隙間から覗いてみると、カーテンの閉まった部屋は珈琲の香りが少し充満していて、デスクの上にはパソコンと珈琲の入ったマグカップ。
きっと仕事用の部屋なのだろう。そこに赤井さんは居なかった
分かってはいるんだけど...物音を立てないように中へ入ると
デスクには私の名前の保険証が。
FBIが用意してくれたのだろう
個人情報の物は零にも準備するとは言われていたけど...
やっぱり早く零には言うべきだ...
そのままパソコンの画面に表示されているのをチラッと、本当にチラッとだけ見てみる。
“Pacific buoy” “interpol”
パシフィックブイ...?
インターポールは確か...
洋画とかで見た事あるから何となく分かるけどパシフィックブイって何だろう。
FBI関連かな。これ以上見てはいけないと思い、部屋を出た。