第7章 シルバーブレット
バッグからスマホを取ろうとしたら後ろから腰にタオルを巻いた赤井さんがやってきて、バスタオルを渡された。
「“それ”ではいかんからな、シャワーを浴びると良い」
それと言うのは下着の事だろう
確かに、ショーツの方は濡れたままだろうな...
渡された肌触りの良いバスタオル巻く。
『ありがとうございます...でもシャワーまでお借りするのは...』
「気にする事は無い。ほら、浴びてこい」
『はい...』
風呂場まで案内されて、シャワーへ。
浴び終わるとバスタオルとガウンが用意されていた。
あれ、これって...
今日はもう帰るんじゃないの?
とりあえず体と髪を拭いて、ガウンを着てから髪を乾かして...
リビングへ。
『お風呂、ありがとうございました』
「ああ。みなみ、話があるんだ」
話?何だろう。
でも暗いトーンでも無いし...
『はい...』
「みなみには此処に居て貰おうと思っている。どうだ」
『えっ?あの...』
「今直ぐにでは無くても良いが...降谷君と関わりがある以上、組織の人間に見られたりなんぞしたら危険だぞ」
『でも...』
「お前は本来この世界には存在しないんだぞ。もしその事を奴らが何らかで知ったとすれば...後は解るな?」
確かに、そこまで考えていなかった...
そんな危険もあるかもしれないのに、私と来たら全然違う事で悩んだり浮かれたりしてて
少しでも迷惑をかけない為にもそれが一番なのかな
けど零にも提案されてたし...
この国に居るなら日本の警察の言う通りにするべきなんだろうけど
それが却って零の負担になってしまったら...
『解りました』
零には悪いけれど...
いま現在組織と直接的な繋がりが無い赤井さんの方が安心かと。
それに普段は沖矢昴な訳だし
「勿論、この事はボウヤにも工藤さんにも話してある」
『そう...だったんですね...』
「ああ。取り敢えず今日は泊まっていけ、荷物等は明日だ」