第9章 モブリット生誕記念『今日の主役』
「……ジェス?」
「は、はひ!」
自分の給料以内で、尚且つ美味しくて豪華に見える誕生日ケーキの代わりを考えている所、頭上から声が落ちてきた。
そうだ、今は新しい陣形の講義中だった!
講義室内の全視線と、先生役をしていたモブリットさんの鋭い目が私を射抜く。
慌てて教科書をノートの上に被せたので、計画書は見られていないはずだ。
「講義に集中できていないみたいだな」
「い、いえ!!決してそんなことは、」
「では、奇行種が多数接近してきたとする。その場合使うのは何色の煙弾だ?」
「えーっと……く、黒……?」
一瞬モブリットさんが微笑んだので、当てずっぽうで言った色が当たったのかと思い安心する。
しかし次の瞬間、頭の上に教科書の背表紙を振り下ろされ、私は鈍い痛みに頭を押えて呻いた。
隣の席で一部始終を見ていたアルミンが呆れた顔をしていた。座学トップな貴方にはわからないでしょうね!!
「赤だ。奇行種1体なら黒で間違いない。しかし、私は"多数"と言ったんだ。講義を聞いていれば難なく答えられたはずだが?」
「う……すみません」
「今回は見逃してやるが、態度を改めるように」
「はい……」
あなたの誕生日会を考えていたからですとは、口が裂けても言えないな……。