第9章 モブリット生誕記念『今日の主役』
酪農や農業をする土地が限られている壁内では、肉やケーキ、高価な紅茶なんてウォールシーナの上流階級にしか手に入れられない。
だから、マリアが陥落してからのウォールローゼの誕生日会事情とは、比較的柔らかいパンと塩味の芋、果実を搾ったジュース、お金に余裕のある家庭では形に残るプレゼントを送るのが主流であった。
実際、私も甥っ子にはそうした誕生日会しか用意できなかった。
しかし、今の私は昇進しハンジ班に所属した兵士である。
訓練兵時代よりも給料は格段に上がっていた。
そして、日頃からお世話になっている上司には相応のお返しをしなければならない。
かくして、『オペレーション・サプライズ』は副長ファンである私を中心に進められたのだった。