第8章 リトルボーイ
しばらくお互い自由に絵を描いていたが、「一緒のものをかこう」と言われて私は今、慎重に猫を描いていた。
プルプルと手が震えて線が歪む。
完成したのはただの丸に三角がついたお粗末なキャットフェイスと、カゲロウのようなぐにゃぐにゃの胴体だった。
て、丁寧に描いたのに…。
ちゃんと取り組んだことほど失敗すると悲しい。
「わあすごい!」
涙目になりつつ集中しているモブリットくんの出来栄えを確認すると、そこにはプロの画家が描いたかのような、優雅な猫の姿があった。
まっ黒な毛並みの猫は毛づくろいをしていて今にも動き出しそうだった。
大人のモブリットさんも、そういえば絵が上手だったなあと、以前描いてもらった私の絵を思い出す。