第7章 ■汗と制服
お昼になるといつも、私たちは4人で屋上に上がってご飯を食べる。
幼なじみである私たちをからかうのがゲルガー。それを窘めるのがナナバだった。
今日はモブリットが委員でいないので、3人で恋バナに花を咲かせる。題して、『どうしたらモブリットを振り向かせられるか会議』だ。
「そんなこと聞かれてもねえ。私はありのままでいいと思うよ。特別なことはしなくたって、ジェスはかわいいからね」
「ナナバ……」トゥンク
「私にしとくかい?」
「やめろーメシが不味くなる」
いつもとはゲルガーとナナバが逆の立場で、笑いが込み上げてくる。2人もくすくすと肩を震わせていた。
「でも俺もそう思うな。ジェスは知らないだろうが、お前は結構男子人気あるんだぜ?」
「まさか!だってモブリットの話を聞く限り、ハンジさんっていう人に私が勝てる要素もないし。熱中するような趣味とかも持ってないし」
ああ見えてモブリットは意外に探究心が強く、夢中になったものに気が済むまで打ち込む一途な所がある。モブリットとハンジさんがお似合いだというのは、火を見るより明らかだった。
ふたりがため息をつく。
「いや、それは無いよ。だってハンジさんは…」
「あ!まずい!そういえば俺も先生に頼まれてた仕事があるんだ」
ナナバの言葉をゲルガーの焦った声が遮る。なんでも、エルヴィン教頭に雑用を頼まれていたらしく、サボることは死を意味するのだそうだ。
怒らせると怖いんだ。そう言ってゲルガーは去っていった。嵐のようだったなぁ……。