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【短編集】海を見に行こう

第4章 一対の翼



さっきとは別の10m級くらいの巨人がやってきて、地上で安心した笑顔を浮かべていた新兵たちが一瞬で青ざめる。
やむを得ず立体機動に移れ!と私が命令したが、焦って訓練通りに行かない子が1人だけいた。巨人が手を伸ばせばあの子は握りつぶされてしまう距離だった。

ついに彼女は捕まってしまう。

屋根の上を全速力で走り、足場が無くなったところで高く飛びそのまま巨人の首にアンカーを突き刺す。
自分の体がバラバラになってもいいから、全速力で巻き上げる。

巨人が私に気づかなければ、そのまま目を刻んで首側に回る。なまくらになった刃を取り替えたらすぐに項を削ぎ落とす。失敗すれば私もこの子と一緒に死ぬ可能性が高い!それでもやらないと!!

…しかし私の想いも虚しく、巨人が空いた方の手でワイヤーを掴んだ。その振動でぐらっと体制が崩れ、巻き戻せなくなってしまったワイヤーがたわみ、体がそのまま落下する。けれどちょうど目の前に彼女を掴んでいる巨人の手があったので、彼女だけは助けようと刃をつきたて指を切り落とした。
開放された彼女が剣を抜こうとしたので逃げるよう怒鳴ると、泣きながら屋根の上に逃げてくれた。

ついに巨人の首に刺さったアンカーからぶらりと逆さ吊りになると、無表情のまま巨人が私を握る。
弄ばれているのだろうか?じっくりと握られ、ぎりぎりと肋が悲鳴をあげる。潰されていく肺で呼吸できなくなってきて、苦しくて意識が遠のいていく。

「かはっ…ぐっ…!!」
「ジェス!!」
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