第3章 My Honey
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自分が生き残ったことを不思議に思いながら血にまみれた服を着替える。明日にはこの服も綺麗になっているのかと思うと、私のせいで死んで行った先輩方を忘れていってしまうようで胸が痛んだ。
それでも私は帰らなければいけない。
壁外の花を持って来れなくてすまない、と謝ったら彼女は少し拗ねながらも生きて帰ってくれてありがとうなんて言ってくれるんじゃないだろうか。いや、そう言って欲しい。情けない話だ。
普段着に着替えて兵舎を出ると、泣いている新兵が退団の書類を持って分隊長に嘆願しているとこを見てしまい、私は目を逸らした。
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女性に人気だと銘打ってある花を買えるだけ買って家路を目指す。両親に顔を見せるのはジェスの後でもいいだろう。
たった3年しか離れていなかったのに随分昔に見たような気持ちで、ナイトレイ家の戸を叩く。
久々に会う彼女に色々な気持ちが混ざった複雑な状態でまた胸が高鳴る。
しかし私を出迎えたのは大人になったジェスではなく、荒らされた部屋と、涙で真っ赤になった目元のジェスの母親だった。