第13章 モブリットさんを匿う話
亡き父の部屋にハンジさんを案内し、私とモブリットは一緒の部屋に寝ることになった。
頭と体を使いすぎたらしいハンジさんは、先に寝室に行ってしまった。気を遣われたのか、本当に眠かったのか…掴めない人だなあ。
洗った食器をモブリットに渡し拭いてもらう。
彼は慣れた様子で食器棚に皿を戻していた。今は一緒に住んでいないけど、結婚して同棲したらこんな感じなのかなぁと勝手に頭が妄想してしまう。
いけない、こんな時に。
1人だけ浮かれてるなんて2人に失礼だわ。
「…なんか、嬉しいことでも考えてるのか?」
「えへぇ?」
「ふはっ、変な声」
ぐしゃぐしゃと大きな手で頭を撫で回されて、あたまがぐわんぐわんする。
ちょっと見ない間にまた筋肉がついた?
「副長なんてやってると、やっぱり力も強くなるのね」
「試してみる?」
からかうような声で両手を広げられる。
さっき抱きしめたばっかじゃない。
「……ジェスも会わないうちに細くなったんじゃないか」
「ええ。誰かさんが心配させるせいでね」
「すまない、迷惑かけるな」
「…生きててくれたらいいの」
「……そうか」
温かい。久しく感じてなかった人肌に触れて…しかもそれが大好きな人だからかまた泣きそうになってしまう。私ってこんなに泣き虫だったっけ?