第13章 モブリットさんを匿う話
残っていたスープを温め、パンと一緒に振る舞うと2人は心底安心したように手をつけていた。
濡れ衣を着せられ、一体どんな思いをして身を隠していたのかと思うと胸が痛んだ。2人の気持ちは私には計り知れない。
「ジェスさん。匿って頂いた後に確認してしまい申し訳ないのですが、本当に良かったんですか?
指名手配犯の私たちを助けたと憲兵にバレれば、共謀罪としてあなたも裁かれる可能性があるんですよ」
ハンジさんは鋭い目で問うてきた。
2人の皿はもう空になっている。
私の答えによってはすぐにでもここから立ち去るつもりなんだろう。
これから何があるか分からない。二度と会えなくなるかもしれないから、最後にここへ来た。そういうことなんでしょう、モブリット。
だったら私の答えは決まっている。
「…もし、私が今すぐ死ぬんだとしたら。
それは彼の側です、ハンジさん。
たとえ苦しみをわかってあげられなくても、世界が終わるんだとしても、私は彼の側にいたいんです」
モブリットの方を見て、それからハンジさんを真っ直ぐ見つめて言いきった。
そうですか。
ハンジさんの目が柔らかくなり、目の前に手を差し出される。
その手を強く握り返し、私は2人の共犯者になった。