第12章 ▲紫苑
「バーナー!!さっさとそこから出ろ!」
そうそうこんな風に。
やけにはっきりした走馬灯の声に驚きながら目を瞑った。
「聞こえてんだろ!!!!寝てんじゃない!!起きろ!!」
幻聴じゃない…!
ドンッと体に衝撃が走る。
驚きに見開いた目にはあなたの顔が映る。
あなたは必死な顔で俺に手を伸ばしていた。
俺はあなたの声を知ってるはずなのに何も音が聞こえない。
切り落とされた奇行種の指が空中に弾け飛び、俺は体を落下させていく。
_その代わりに、奇行種が反対の手でジェス分隊長を掴んで握り潰した。
「ジェスさッ!!!」
すぐに自分も指を切り落としに行こうとしたのに、落下した衝撃で装置が破損したらしく、トリガーがいつものように沈まなくなっていた。
「なんで、なんで!!くそ!くそ!!待てよ!やめろ!!俺はまだ、あなたに……!!」
とん。
ぐちゃぐちゃに折れ曲がった人差し指で胸を突かれる。
心臓辺りだったそこにあまり力を入れられてないのに、俺は目眩でふらついてしまった。
「ジェス…さ、」
最期まで綺麗な笑顔だった。
何も言わず、悲鳴もあげないまま、分隊長の体がバラバラになり血痕が頬にぴしゃりと付いた。