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【短編集】海を見に行こう

第3章 My Honey



「ま、まぁそういうことだから。俺の意思は固いんだからな!」
「ふふ、わかったよ」
「え?本当か!」
「本当。」

私の言葉でモブリットが安心したような、迷いが吹っ切れたような満面の笑顔になる。正直まだ納得してない部分もあったが、キラキラした目で、どんなに時間が経っても私たちが一緒にいる未来を語ってくれるものだから、自分の不安よりもモブリットの夢の方を尊重したくなったのだ。
そうか、漠然としたモヤモヤのせいで、町のみんなの優しさも、モブリットの夢も、父さんの過去も受け止められてなかったけど…それは大事な人と一緒にいられる未来が私一人では描けずに殻に閉じこもっていたからだったんだ。

疑心暗鬼に陥っていた自分が恥ずかしくなる。まるで生まれ変わったみたいに世界の見え方が変わった。

あぁ、やっぱり私はモブリットが好きだ。

「……なあジェス。俺が立派な兵士になったらさ、壁の外からたくさん花を摘んでくるよ。だからその時は……俺のお嫁さんになってくれないか?」
「え、え?嘘でしょ?」
「ダメか?」
「その反対!嬉しすぎて……なんか、泣けちゃう」
「あぁー、泣くなよ。俺まで泣けてくるだろ!」

潤んだ視界で笑い泣きをしているモブリットに私も釣られて笑った。
幸せだ。
自分の都合のいい方に物事が進みすぎてこの先何か悪いことがあるんじゃないかって怖くなるけど。
その時はきっとモブリットが隣にいてくれる。

「ありがとう、モブリット。大好きだよ」
「俺も好きだ、ジェス」

こつんと触れ合った額から、言葉なんかよりももっとずっと、私がモブリットを大好きなことが伝わればいいのにと思った。
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