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【短編集】海を見に行こう

第12章 ▲紫苑


初めての壁外調査の日程が決まった。
今日から1ヶ月後に、俺は待ちに待った壁の外へ行ける。
生まれてからずっと壁の中に不自由を感じていた自分が、自由を手にするための1歩を歩き出せるのだと思うと胸が踊った。


しかし、それと比例するように分隊長の厳しさは勢いを増した。


「分隊長、流石にやりすぎでは」
「構うなハンジ。ここで膝を着くような人間は私の班に必要ない。立てバーナー!」

屋外での立体機動訓練中、いつもと同じ指摘を受け反論したところ、鳩尾に思い切り膝蹴りを入れられ、川に嘔吐した。
鼻に酸っぱい臭いが広がり、その気持ち悪さに膝を着くと、介抱してくれている副長を押しのけ腕を捕まれ立ち上がらされた。

「壁外で誰かが助けてくれると思うな!そんな甘い考えではお前が仲間を殺すことになる!ハンジも、みんなも改めてそれを覚えておけ!仲間だからといって助けようとするな!」

「ごほっ…で、では…分隊長が巨人に襲われて、いて…も、助けなくていいと言うことですね……!」
「おいやめろっ」

先輩が小声で俺を咎める。
構うもんか。とうに耐えられなくなった俺の口はスラスラと愚痴をこぼした。
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