第12章 ▲紫苑
「……あっ?!!!!」
「あちゃー。流石に成績優秀者でも避けきれないか」
ドシンッ!!!とマトモに受け身も取れないまま、空中を一回転して地面に不時着した。ハンジさんの顔が逆さまに見えた。打ち付けた腰が痛いなんて言葉じゃ言い表せないくらい痛い。
「いッ!!!!」
「甘いわ。これくらいに反応できないんじゃ壁外に出たらすぐ、敵の胃袋の中よ」
ザッザッと踵を返す音と共に吐き捨てられる。
理不尽な歓迎に、俺の心は怒りで燃え上がっていた。
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「くそ!なんなんだあの上司!」
「まーまー。運が悪かったと思うしかねーよ。俺の班は優しい分隊長だったけどな」
「喧嘩売ってるのか?」
ボフッと枕を殴る。宥めてきたのか煽ってきたのか分からない同期にも一発お見舞いしたかったが、悪気はなさそうなので我慢する。
……結局あの後は先輩たちと一緒にボロ雑巾にされた。一緒にボコボコにされることで、いつの間にか仲間意識が芽生えていたくらいだ。
常に死と隣り合わせの仕事だというのはわかっている。厳しく鍛えられることは覚悟して入団した。
しかし、ジェス・ナイトレイの訓練は理不尽という言葉が相応しいほどひどいものだった。