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【短編集】海を見に行こう

第11章 結婚しよ!


そうしてしばらく2人は黙って星空を見上げた。
モブリットの予想通り、月の邪魔がない分、濃紺色の夜空に散りばめられた宝石は磨かれたようにピカピカ煌めいていた。

「よく覚えてないんだけど。なんかの本でさ、人って死んだら星になるって書いてあったのよ」

死。底抜けに前向きで暗い言葉とは縁遠い彼女の口からそれを聞いて、モブリットは彼女の横顔を見つめた。
話の意図も分からなかった。ただ、彼女の目尻から涙が溢れてしまいそうな気がして目が離せなかった。

「クリス、ジェーン、マリス、ナンド…みんな今頃星になって、私たちを見下ろしてさ…笑ってるのかな?」
「…さあ。少なくとも、お前に泣いて欲しいとは思ってないんじゃないか?」

訓練兵時代、共に調査兵団を目指した同期の名前や、ジェスと一時期同じ班だった人々の名前を聞いて、彼女がここにいる理由がわかってしまった。

「…泣いてない」
「…そうだな」

顔を歪めてもジェスは涙を流さなかった。
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