第11章 結婚しよ!
「あーあ。やっぱモブリットにはバレちゃうか。泣かなくたって。……好きだなぁ」
「…プロポーズじゃない言葉だと、少し照れくさいな」
「えっ、じゃあこれからはプロポーズやめようかな」
ジェスは顎に手を当て真剣に考え始めた。
プロポーズをしてこない彼女なんて…全く想像できないんだが。……というか、そんなことを思うのか自分は。
「わ、なになに?!」
くしゃくしゃと頭を掻き回すと流石に驚いたようで、乱れた髪を直す顔は不服そうだった。
「やめなくていい。……やめなくて、いい」
「……2回言った」
「…大事なことだからだよ」
口を滑り落ちた言葉はたぶん本心だ。
ジェスは珍しく顔を赤くして微笑んでいる。
言うのはいいけど、言われるのは恥ずかしい、みたいなことなんだろうか。
慣れないことをした自分もきっと、同じ顔をしている。
「ねえモブリット。好きだよ…結婚しよ」
「…俺がお前に勝てたらな」
出会った頃の関係には戻れない。
抱いた感情は捨てられない。
ならばちゃんと、前に進めるように終わらせよう。
ジェスの瞳が大きく見開かれ、夜空の星を映す。
俺は強くなろう。
強がってしまう君の瞳からいつか、安心して涙が流れるように。