第11章 結婚しよ!
夜。ジェスにときめいてしまった時のことを考えると寝付けなくなってしまい、仕方なくシャツの上に黒いジャケットを羽織り中庭に出ることにした。
今日は新月だ。星がよく見えるだろう。
眠気が来るまでの暇つぶしにはちょうどいい。
静かな夜は好きだ。騒がしい人(主に分隊長とジェス)と常にいるのが嫌な訳では無いが、その反動でこういった時間を余計に欲するようになった気がする。
「あれーモブリットじゃん。奇遇ぅ」
「ジェスに情緒を感じられる心があったとはな。驚きだよ」
「毒舌!でもそんなとこも好き。結婚しよ」
「しないよ」
通常運転のジェスと自分の心拍に安心して思いのほか優しい声が出た。やはり、訓練の時のアレは勘違いだったんだ。
中庭の中心に植えられた木。その周りを囲むように並べられたベンチの、1番星を見やすい場所にジェスは座っていた。
モブリットはそこに行くと、自然と彼女の利き腕とは反対のところに座った。
自然すぎる自分に笑ってしまって「え、その笑顔反則。結婚しよ」とまた口説かれ、モブリットもまた「しない」ときっぱり断った。