第11章 結婚しよ!
モブリットとジェスは本格的な訓練の前に、兵団本部の周りを走るように申し付けられ、目標の50周まで残りわずかの所を並走していた。
こうなった原因は言わずもがな、ジェスにある。
モブリットは、しつこいジェスをなんとか撒いて朝食にありつけたものの、うまく撒かれたことを悔しく思ったジェスにその後執拗に絡まれていたのだ。
午前中の講義では隣に座ろうとしていた男兵士を眼で追い払って席を陣取って来たし、移動する時も昼食の時も、彼女が自分をどんな風に好きなのか、どんな所が好きなのかを永遠と説いてきた。
終いには訓練中も、兵長がいない隙を狙ってどこから持ってきたのかわからない結婚誌を見せつけながら、「私と結婚してくれたら毎日キスして見送るし養うから!」などと泣きついてくる始末。
挙句の果てにはそこを見つかり、罰として走り込みをさせられることになったもんだから、被害者の自分からしたらたまったもんではないのである。
「2人っきりにしてくれるなんて、兵長様々だわぁ」
なんて、涼しい顔で言ってくる物だから、息切れをしているこっちとしては腹立たしい。