第10章 ▲ラットの堕地獄
私の聴取より巨人の討伐、及び民衆の避難をしなければならなくなった二人は、悔しそうに私を振り返ったが速足で地上に戻っていった。
待ってなんて言ってはいけない。
例えこれが最後の瞬間だとしても。
彼らはこの世界を壊しに来てしまった。
任務を遂行できなかった私は今日中に始末されるだろう。
そんな予感がする。
マルセルやベルトルトなら私を必ず見つけ出すはずだ。
私はその瞬間が来るまで、楽しかった記憶を瞼の裏に思いかべた。
悲しいこともたくさんあったけど…愛する人にたくさん出会えた、いい人生だった。
好きな人に終わらせてもらうことはできなかったけど、今死んでも悔いは残らない。