第10章 ▲ラットの堕地獄
調査兵団にいる時間は……正直とても心地よかった。
人生で経験したことの無いような安心感を一身に感じて。兵士の1人として仲間を守り人類の進撃を願う日々は私の孤独を吹き飛ばした。
友情、忠誠心、悼み、愛情。
自分には手の届かないそれら全部。
悪魔と呼んで憎んでいた相手から教えてもらった。
主に、モブリットから。
配属されたハンジ班の面々は壁外で救ってくれた時のことを覚えてくれており、大層かわいがってくれたが、モブリットは私を助けた張本人だったからか、特に目をかけてくれていた。
_ジェス、ハンジさんの長話には絶対に付き合うなよ
_危ない!もっと周囲を警戒しろといつも言ってるだろう!
_…お前は死ぬなよ
_背中は預けた!!
_ジェス……
(ごめんなさい…ごめん、なさい……)
これは、思い上がった罰なんだ。
私のような存在でも、居場所を…仲間とともにいられるのだと。
つかの間の快楽に溺れて使命を忘れてしまった…本当の自分の汚さを見ないふりしてきた自分への、報い。