第10章 ▲ラットの堕地獄
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私には、どこにも居場所はなかった。
親無し子だったために、誰かに認めて欲しくてマーレの戦士を目指した。
実力を買われて継承の話が出たものの、結局力を継げずに、再生する体だけ手に入れた私は、少しでも役に立てるようにと斥候を名乗り出たのだった。
継承の儀で…なぜ突然人間に戻ってしまったのか。
理由は分からなかったが、自分がこんな目に遭う原因は壁内人類のせいだということは確信していた。
だからこんな自分でもできることを…。
悪魔の末裔どもを追い詰める情報を、なんでもいいから掴んで故郷へ帰ろうと決意した。
今度こそ自分の居場所を手に入れるために。
けれど、なんの特殊能力もない、再生して生き地獄を味わうだけの自分じゃ無垢の巨人どもから逃げることは叶わなかった。
たまたま調査兵団が通りかからなければ私はあの場所で土の肥やしになっていただろう。
幸い壁の近くを彷徨っていたため、口減らしに捨てられた少女を演じ、そのまま兵団の兵士になることが出来た。
自分でも上手く行きすぎておかしいと思うほど、都合よく。